漆掻き道具の技術保存

漆掻きさんが使用する漆掻き道具の作り手は、全国で大変少なくなってしまいました。
漆液の一大産地である岩手県二戸市でも後継者を育てるべく継続的にご尽力されています。
漆掻き用の道具を作る鍛冶屋さんが減少した理由は全国的な刃物製造の機械化と農業の従事者の激減によってクワやカマなどを作る各地の鍛冶屋さんが極端に減ったことが一つの理由です。
また漆掻き道具の中でも、「カンナ」と呼ばれるウルシの木に丸い溝を削る道具の制作は
かなりデリケートで難しい技術を伴います。刃の形状や角度の微妙な違いで、木に食い込みやすくなったり、削りかすが抜けにくくなったりと、作業効率にいちじるしい差がでてしまいます。
数年前から壱木呂の会では、その現状を危惧してこの問題に取り組みはじめました。
その矢先、医療器具の大手製造販売会社「テルモ株式会社」の芸術文化支援活動があることを知り応募し、運良く支援をいただけることになり下のような取り組みを行い精細な映像としてDVDに記録をし、その材料や、焼入れ温度、細部の角度など映像を補完するためのイラスト入りのテキストと3Dプリンターのデータ化も行いました。

これから先も漆掻きの仕事に欠かせないカンナの制作に、どこででもこれら3つのデータを使ったり、製品としての形を取り出し参考にすることで、お役に立てるのではと考えています。

データDVD テキストなどご入り用の方は壱木呂の会事務局までお問い合わせ下さい。

漆掻き道具の技術保存
漆掻き道具の技術保存
漆掻き道具の技術保存
漆掻き道具の技術保存
漆掻き道具の技術保存
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