壱木呂の会のご案内

「会」の具体的な活動と漆購入の内容について

  1. 安定した漆の需要を作る為の協力
    その為には日本産漆をよく知り、特に特徴のある漆産地を応援して多くの漆芸家の方々に使って頂くようなネットワークを作る事によって漆掻きさんの需要に貢献する(辺漆を一人500g以上できれば1kg以上の御協力をお願いします。裏目漆、あさみぞれ漆は別枠)
  2. 漆掻さんの仕事の内容を理解する。
    会員から一般の方も含め多くの方々に日本産漆の良さを紹介してもらい、メディアにも現状などを説明することで、地元の若い方々が、漆掻きという仕事に興味を持って頂くための良い環境づくりにお手伝いさせて頂く。
  3. 私達の側からも油や水等が混入しない良質な漆を採ってもらう事を主張する。
  4. 奥久慈漆生産組合の賛助会員として生産農家と手を携え、植栽保育を支援し協力する。
  5. 日本産漆の使用法について会員相互の情報と漆掻きさんからの情報を交換する。
    年に一度「クロメ」「荒味漆の濾し方」等の勉強会や情報交換のための簡単な会誌を発行しています。また、漆掻きさんを囲んでの懇談会や漆についての勉強会を催しています。
  6. 採取記録を付けて出荷して頂くことで、誰が何時どこで、どのような気象状況の中で採取したかを解る様にする事は、使い手が国産漆をより身近に感じてもらえるようになると思います。又、生産者も自分の採った漆に責任を持ってもらうことで、良質な漆を採ることに繋げて欲しいと考えます。
    採取者 氏名、採取地 茨城県常陸大宮市盛金地区 など責任の所在をはっきりさせ、漆掻きさんに次の世代へよい手本を残していってもらう。

    漆に添付される採取記録の例

    漆に添付される採取記録の例

  7. 日本産漆の現状は、漆掻きの高齢化と後継者難、山間地域農業の荒廃によるウルシの木の激減とが重なり大変厳しいものがあります。7000年以上という気の遠くなるような長い歴史を持ち、日本の代表的な工芸である漆芸の基本材料が、ここ数年の内に危機的状態を迎えてしまうことを、大変憂慮しております。
    そのような事態をふまえ、壱木呂の会では2009年度より会員とビジターによる漆の苗木を新たに植栽する活動を始めました。漆畑の新植、保育、施肥等の主に人件費を皆様の援助によって賄いたいと思っています。漆の植栽管理によって立派な見本林が立ち上がるのには少なくとも5年、又漆を掻けるようになるのには10年の歳月がかかります。壱木呂の会は、民間の力だけで出来ることを一つずつ進めていこうと思っています。この運動だけで現在の危機的状況を全て好転させていけるとは思えませんが、これらの運動を通して日本各地にあるウルシの木の育っている地域とより良い形で連携を図り、刺激を与え合えると思います。又行政でしかできない地域社会に対する側面からの働き掛けと協力をお願いし、大きな波になっていければ壱木呂の会の目標は達成するものと思います。