賛助会員制度の導入と見本林の立ち上げ

日本の大切な漆文化を支える漆生産の基盤は経済効率優先の世の中の潮流によって壊され、現在、危機的状況にあります。

15年前、私達は漆掻き後継者不足のひとつの原因が、安価な中国産漆に押された日本産漆の需要の減少であると考え、1人1kg以上の日本産漆を購入する草の根運動を始めました。しかし、近年、漆掻きの後継者不足のみならず、日本の農業の衰退と平行する形で漆の木が激減し、日本産漆の確保が非常に困難な状況に陥っています。漆の木がなければ漆掻きもできず、その技術や文化も失われてしまうでしょう。一刻の猶予も許されません。一度文化の基盤を失うと、その何十倍もの努力をしないと元に戻すことが出来ないのです。

そこで壱木呂の会では今年から新たに漆の木を植林する活動を始めました。漆生産は、漆掻きがその土地の風土、事情を良く理解して場所を選定し、高品質な漆の生産に向け長い時間を掛けて取り組むのが理想です。NPO活動として見本林を作ることが、漆掻きと漆の樹の植栽とのよりよい関係の模索となり、またひとつの試みとして日本産漆をめぐる現在の状況に一石を投じられればと念じます。

壱木呂の会の主旨をご理解いただき、是非ご参加、ご支援頂きますようお願いいたします。

正会員…産地などで漆の仕事に携わる方、漆芸作家、漆に興味のある方、漆を購入したい方

正会員は漆(荒身)を1人500gから購入できることになりました。漆は種類によって異なりますが例年8月から10月下旬にはお送りします。壱木呂の会でお願いする漆掻きさんには、採取者、天候、時間など採取状況を記録していただいています。いつ、どこで、誰が採取した漆かがわかります。また、随時くろめの研究会(クロメ会)を開催しています。情報交換や、地元の漆掻きさんとの交流親睦を深める機会になります。また、会報を発行、送付いたします。

賛助会員…壱木呂の会の運動に賛同してくださる方

見本林拡充のため一般の方の参加をお願いしたく、賛助会員を広く募ることになりました。壱木呂の会のクロメ会や漆木の植栽、漆作家との懇親会等にご参加頂けます。正会員と同じ会報をお送りいたします。

特別賛助会員…壱木呂の会の運動に賛同して下さる団体、法人の方

漆を取り巻く現状は、作家や個人の協力だけは限界があり、この危機的状況に法人、団体などの積極的な援助が大事です。

漆植栽は約10年毎に漆採取、伐採、植樹を繰り返します。これは緑化運動、CO2問題、排出権などの地球温暖化対策、地域活性化、とりわけ、世界に誇る日本の漆文化を支える事になります。

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見本林の植栽風景

見本林の植栽風景


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植えるにあたって、神長組合長(当時は副組合長)より植え方の指導を頂く

植えるにあたって、神長組合長(当時は副組合長)より植え方の指導を頂く


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